gottaNi ver 1.1

絡繰屋


UP:2018-08-16

「――特区利権でひと山当てた資産家。指定解除候補の特区を視察しに行って失踪、死体で発見。……うわー、真っ黒だよ、これ。怪しいなんてもんじゃないね、これ」  運送屋から依頼主の情報をもらい、身元を洗った結果は、どこからどう […]


UP:2018-08-16

「あれぇ? 閟誕に方向性がおかしいとか言われるのは予想外なんだけど」  応対に出た自律人形の背中を見送りつつ、絡繰屋は首を傾げる。  肉が食べれば片付くのも、ネジが食べられないのも、間違いなく真理だと思うのだが、何故だろ […]


UP:2018-08-16

「んー」  思案しながら呟いて、まず店主はもろもろを確認する。 「まず、問題は動作不良と……謎の子供? それが出なくなればいい?」 「ええ……そうですね、その二つをお願いしたい」 「うちの細かい条件、聞いてきました?」 […]


UP:2018-08-12

 絡繰屋の求めに応じて、客は戸惑いながらも、来店にいたった理由を語りだす。 「私はその、趣味で骨董の類を集めております。特に、少し仕掛けのしてある細工物が好きでして……普通の手順では開かない箱ですとか」 「あぁ、あります […]


UP:2018-08-06

 店舗のバックヤードに設置してあるボタンに反応して、呼び出しを示すランプがぴこぴこと点滅する。  工房でそれを受け取って、絡繰屋は昼寝を諦めた。 「あー、見えてる見えてる。うん、だから連打しないで閟誕。壊れる壊れる」   […]


UP:2018-08-06

「――いらっしゃいませ」  迷いながらそっと来店したところ、いきなり即死級の先制攻撃で思わず撤退。……そんな出だしから、30分近い葛藤の末に意を決し、男がもう一度その店に踏み込むと、今度は滑らかな声に出迎えられる。  等 […]


UP:2018-08-04

 その店は、寂れた元繁華街の、大通りから外れた路地の、さらにその奥のガレージにあった。  不格好な機械の部品や、何かの工具、オブジェのような工作機械……そんなものが雑多に詰め込まれた空間の隣に、シンプルなドアと、そこだけ […]


UP:2018-08-04

 絡繰屋(からくりや)の朝は早い。  日が昇る前から起き出して、身近なところでは国内特区、遠ければ遥か国外の紛争地帯、時差も何のそのでネットを巡回し、隙あらば流出したあれやそれを格安で買い漁り、ときどき真面目に技術資料を […]


UP:2017-04-17

2015年の正月 >> 絡繰屋 あと数名ほど書き足そうかなあ、と思っていたものの、そのままにしてしまったやつです……


UP:2016-04-06

 朽ちた屋敷。廃墟となった富の証。それはつまり、遺跡。  砂塵と埃を鮮明にする、天井の穴から零れる光。それだけを頼りに歩き続ける。  打ち捨てられた家具や崩れ落ちた板が乱雑に転がる床は、気を抜けばすぐにでも足を取られて倒 […]