短杖の先に灯したあかりが、惑うように頼りなく震える。ゆらめく光に影が踊り、めいめいに勝手な断章へと繋がって、床、壁、天井、あるいは窓の外へと、数多の書の影を綴りだした。
こうして書痴たちは、夜の暗がりにさえ、うっかりと追いかけるものの後ろ姿を見いだして、またぞろ本の虫となるのだ。
開いた本。
中には、つい数日前に手を伸ばそうとした本の、同じ世界の、いつかどこかで、が納められた別の物語の断章たちが眠っている。
ぱらと流して、あきらめた。この解読は取り掛かるには早すぎる。
ふと揶揄する声が「ライブラリ、だからな」と夜気を踊らせた。
「コメントの欠けたライブラリ、関数群」
ここは《図書館》なんて可愛いものじゃない。
コメントもドキュメントもないぐちゃぐちゃな関数の集まった《関数群》が「ライブラリ」なのだ。
使ってみないと分からない、中を見てみないと理解できない、そういうものの巣窟。
こうして書痴たちは、夜の暗がりにさえ、うっかりと追いかけるものの後ろ姿を見いだして、またぞろ本の虫となるのだ。
開いた本。
中には、つい数日前に手を伸ばそうとした本の、同じ世界の、いつかどこかで、が納められた別の物語の断章たちが眠っている。
ぱらと流して、あきらめた。この解読は取り掛かるには早すぎる。
ふと揶揄する声が「ライブラリ、だからな」と夜気を踊らせた。
「コメントの欠けたライブラリ、関数群」
ここは《図書館》なんて可愛いものじゃない。
コメントもドキュメントもないぐちゃぐちゃな関数の集まった《関数群》が「ライブラリ」なのだ。
使ってみないと分からない、中を見てみないと理解できない、そういうものの巣窟。