梢の葉擦れに耳を叩かれ、上げた視界には書架の森。この王国はまったく気まぐれだ。手にした本に目を落とした一瞬で、並んでいた本棚たちは、洞(うろ)に書を収めた木々へと風景を一変させる。よく見れば、木漏れ日もまた文字を綴り、地面にまで書架を作ろうとしていた。
いつも通り放浪は続く。
ふらふらと、見知らぬ小花の散る小道をゆく。おぼつかない足取りは眠気のせいだ。手に取ったのは表紙のかすれた古い書で、しかし中身は今まででいっとうまとまりのある断章だった。手から離れる前に読み切らねばと、夜を数えることも忘れて没頭したのだ。……睡魔に負けたあと、この記憶がかすれていなければいいのだが。
いつも通り放浪は続く。
ふらふらと、見知らぬ小花の散る小道をゆく。おぼつかない足取りは眠気のせいだ。手に取ったのは表紙のかすれた古い書で、しかし中身は今まででいっとうまとまりのある断章だった。手から離れる前に読み切らねばと、夜を数えることも忘れて没頭したのだ。……睡魔に負けたあと、この記憶がかすれていなければいいのだが。