透き通った空気がゆったりと空へ帰ってゆく。書架の国は気紛れに季節を変えてゆくが、今日は冬の気分なのだろうか、上着を羽織ってもやや肌寒い。どこか建物はないかと城跡をしばし歩くが、見つかったのは古い四阿だけだった。野ざらしよりはましかどうか。近づけば、紙片がそっと置かれていた。
葉擦れのさざめきで目を覚ます。
昨夜、見えども掴めぬ書庫の影に振り回され、すっかり困憊して倒れ込んだのは、そんな彷徨を見透かしたかの如きやわらかな寝台……だった、はずだが。
身じろいだ肌に触れたのは、爽やかな下草の揺れる気配と、夜の名残のような敷布のみだった。
葉擦れのさざめきで目を覚ます。
昨夜、見えども掴めぬ書庫の影に振り回され、すっかり困憊して倒れ込んだのは、そんな彷徨を見透かしたかの如きやわらかな寝台……だった、はずだが。
身じろいだ肌に触れたのは、爽やかな下草の揺れる気配と、夜の名残のような敷布のみだった。