休憩場所にと目星をつけていた温室は、今日は晶洞になっていた。相変わらず訳が分からない。
天蓋に穿たれた穴を何かの結晶が覆って、そこからは青い光が落ちてくる。水底のような静謐と群青。
ちら、と真白い魚がいると思えば、どこかから射し込んできた光の欠片だった。…眠いらしい。
往きて語られるものあれど、還りて語るものない、無名の都。此処には、今日も見果てぬ書たちが並ぶ。
無限の叡智をおさめた殿堂、と称される一方、知識の万魔殿、無知喰らいの巣、とも呼ばれる魔の領域。
──迷宮書架、すなわち《ライブラリ》が、その名であると知るのは、我々だけだ。
天蓋に穿たれた穴を何かの結晶が覆って、そこからは青い光が落ちてくる。水底のような静謐と群青。
ちら、と真白い魚がいると思えば、どこかから射し込んできた光の欠片だった。…眠いらしい。
往きて語られるものあれど、還りて語るものない、無名の都。此処には、今日も見果てぬ書たちが並ぶ。
無限の叡智をおさめた殿堂、と称される一方、知識の万魔殿、無知喰らいの巣、とも呼ばれる魔の領域。
──迷宮書架、すなわち《ライブラリ》が、その名であると知るのは、我々だけだ。