ほそい背表紙がふと目に入る。これも縁と、忘れ去られたような小部屋に積まれていた本から、その一冊を取り出した。
落丁、意味の通らない書き付け、欠けた記述。断章を拾い上げていくと、紙面を滑って何かが手の中へ落ちてくる。古びた栞。
枯れ葉色をしたその遺産は、先達からの夢路の跡だろうか。
閉じた本を書架に戻す。落丁は多かったが、大筋は追いやすい一冊だった。久方ぶりの充足感。
息をひとつ、思わず酷使した目を閉じてしまえば、あとはいつもの気紛れだ。……ああ、これはまた、意地の悪い。
予感に従って開いた視界に差し込むのは、疲れの溜まった目に眩しい木漏れ日。その影に、ちらちらと文字が踊っては消えていた。
落丁、意味の通らない書き付け、欠けた記述。断章を拾い上げていくと、紙面を滑って何かが手の中へ落ちてくる。古びた栞。
枯れ葉色をしたその遺産は、先達からの夢路の跡だろうか。
閉じた本を書架に戻す。落丁は多かったが、大筋は追いやすい一冊だった。久方ぶりの充足感。
息をひとつ、思わず酷使した目を閉じてしまえば、あとはいつもの気紛れだ。……ああ、これはまた、意地の悪い。
予感に従って開いた視界に差し込むのは、疲れの溜まった目に眩しい木漏れ日。その影に、ちらちらと文字が踊っては消えていた。