雨粒がぱたぱたと地を叩く。降り始めてしばらくすると、薄く水を張り始めたそこに、まだ見ぬ断片が映りだした。
水溜まりの先にたゆたうのは、鍾乳石の柱と、彫られ刻まれた文字たちの森。……この書架の国を彷徨っていれば、いずれ辿り着くこともあるのだろうか。
薄く朝日を透かした硝子の先から、遠く何かの鳥が鳴く。昼も夜もなく断章を追い、語られず散逸した世界の名残を追う日々にも、時折こうして朝はくるのだった。
まだ少しぼやける目であたりを見やれば、簡素な寝台はそのままに、見覚えのない華奢なテーブルがひとつ部屋に増えている。置かれているのは軽く焼き目の付いたパンとティーポット。
書痴の亡霊となってから、はて幾度目の食事であろう。いつしか忘れていたその習慣。……自分もまた、この王国の機構になりつつあるのだろう。
水溜まりの先にたゆたうのは、鍾乳石の柱と、彫られ刻まれた文字たちの森。……この書架の国を彷徨っていれば、いずれ辿り着くこともあるのだろうか。
薄く朝日を透かした硝子の先から、遠く何かの鳥が鳴く。昼も夜もなく断章を追い、語られず散逸した世界の名残を追う日々にも、時折こうして朝はくるのだった。
まだ少しぼやける目であたりを見やれば、簡素な寝台はそのままに、見覚えのない華奢なテーブルがひとつ部屋に増えている。置かれているのは軽く焼き目の付いたパンとティーポット。
書痴の亡霊となってから、はて幾度目の食事であろう。いつしか忘れていたその習慣。……自分もまた、この王国の機構になりつつあるのだろう。