ライブラリ、ライブラリ、ライブラリ…。
どこかで音なき声が優雅に歌う。
ライブラリ、それが果たして何を指すのか、見えず聞こえず触れられない、幻の歌い手は、いつも答だけは告げずにどこかへ去ってゆく。
ライブラリ──図書館、蔵書、作品集…あるいは関数群。
短杖の先に灯したあかりが、惑うように頼りなく震える。ゆらめく光に影が踊り、めいめいに勝手な断章へと繋がって、床、壁、天井、あるいは窓の外へと、数多の書の影を綴りだした。
こうして書痴たちは、夜の暗がりにさえ、うっかりと追いかけるものの後ろ姿を見いだして、またぞろ本の虫となるのだ。
どこかで音なき声が優雅に歌う。
ライブラリ、それが果たして何を指すのか、見えず聞こえず触れられない、幻の歌い手は、いつも答だけは告げずにどこかへ去ってゆく。
ライブラリ──図書館、蔵書、作品集…あるいは関数群。
短杖の先に灯したあかりが、惑うように頼りなく震える。ゆらめく光に影が踊り、めいめいに勝手な断章へと繋がって、床、壁、天井、あるいは窓の外へと、数多の書の影を綴りだした。
こうして書痴たちは、夜の暗がりにさえ、うっかりと追いかけるものの後ろ姿を見いだして、またぞろ本の虫となるのだ。