雨音が林立する棚の隙間を渡る。いつの間に降り出したのだろうか。
視線を上げると、外は暗く、窓は流れ落ちる水をまとって波打つ暗幕のように揺れていた。
その揺らぎの中に刹那、書架を兼ねた木々の森が映る。だが駆け寄って伸ばした指にはただ、硝子の冷たさと雨粒の振動が触れるばかり。
見えども到れぬ書庫の樹海、新たな断章の宝庫にまた行き損なったことを理解して、ため息とともに机へ戻る。
ついさっきまで読み進めていた紙片がそこから消えている現実に直面し、いっそうの落胆に襲われるのは、直後のこと。
ああ、本当に、ここでは何一つ確かなものなどないのだろう。
自らの知識を贄として、この《ライブラリ》からは情報を得られる。
季節も、昼も夜もあるけれど、それらの一貫性は『此処』にはなく、扉ひとつ、眠り一度、その程度の断絶を跨いだ途端に、時空は何食わぬ顔で別の様相を踏み込んだもの達に示してみせる。
夜は瞬きの間に明け、朝はすぐ夕餉へと。
視線を上げると、外は暗く、窓は流れ落ちる水をまとって波打つ暗幕のように揺れていた。
その揺らぎの中に刹那、書架を兼ねた木々の森が映る。だが駆け寄って伸ばした指にはただ、硝子の冷たさと雨粒の振動が触れるばかり。
見えども到れぬ書庫の樹海、新たな断章の宝庫にまた行き損なったことを理解して、ため息とともに机へ戻る。
ついさっきまで読み進めていた紙片がそこから消えている現実に直面し、いっそうの落胆に襲われるのは、直後のこと。
ああ、本当に、ここでは何一つ確かなものなどないのだろう。
自らの知識を贄として、この《ライブラリ》からは情報を得られる。
季節も、昼も夜もあるけれど、それらの一貫性は『此処』にはなく、扉ひとつ、眠り一度、その程度の断絶を跨いだ途端に、時空は何食わぬ顔で別の様相を踏み込んだもの達に示してみせる。
夜は瞬きの間に明け、朝はすぐ夕餉へと。