夜更け、冷え始めた空気に身を震わせる。月日も季節も置き去りにしたこの地では、風も気紛れに在り方を変えるのが常だった。今夜は、冬の気分らしい。
名残惜しさを飲み込んで、荒れ朽ちた書棚の森から抜けると、手近な扉を開いて逃げ込む。招かれた先には暖炉とテーブル、ソファ、そして…本。
梢の葉擦れに耳を叩かれ、上げた視界には書架の森。この王国はまったく気まぐれだ。手にした本に目を落とした一瞬で、並んでいた本棚たちは、洞(うろ)に書を収めた木々へと風景を一変させる。よく見れば、木漏れ日もまた文字を綴り、地面にまで書架を作ろうとしていた。
いつも通り放浪は続く。
名残惜しさを飲み込んで、荒れ朽ちた書棚の森から抜けると、手近な扉を開いて逃げ込む。招かれた先には暖炉とテーブル、ソファ、そして…本。
梢の葉擦れに耳を叩かれ、上げた視界には書架の森。この王国はまったく気まぐれだ。手にした本に目を落とした一瞬で、並んでいた本棚たちは、洞(うろ)に書を収めた木々へと風景を一変させる。よく見れば、木漏れ日もまた文字を綴り、地面にまで書架を作ろうとしていた。
いつも通り放浪は続く。