夜半、ゆるやかに自我が浮かび上がって眠りから覚める。サイドチェストに置いた筈の小冊子はもう消えていた。
かわりにやってきていたランタンが、小さく火影を揺らして、方々に影の筆を踊らせている。この寝室に書き付けられた影文たちも、夜明けと共に去っていく断章なのだろう。
戻って入ってきた扉を開けると、廊下だった空間は夜のテラスへ置き換わっていた。
無人のテーブルにカンテラが一つ取り残されて、離れて置いてある書物をゆらゆら照らしている。その装丁はさっき届かず諦めた本によく似ていた。そっと触れる。
天鵞絨の表にタイトルはなかった。まあそれも、ここではよくあることだった。
かわりにやってきていたランタンが、小さく火影を揺らして、方々に影の筆を踊らせている。この寝室に書き付けられた影文たちも、夜明けと共に去っていく断章なのだろう。
戻って入ってきた扉を開けると、廊下だった空間は夜のテラスへ置き換わっていた。
無人のテーブルにカンテラが一つ取り残されて、離れて置いてある書物をゆらゆら照らしている。その装丁はさっき届かず諦めた本によく似ていた。そっと触れる。
天鵞絨の表にタイトルはなかった。まあそれも、ここではよくあることだった。