gottaNi ver 1.1

 名前のない世界、遍在し点在する場所に、その《ライブラリ》は在る。あるいは、その《ライブラリ》が世界として、在る。
 洋館、宮殿、塔、洞窟、温室、テラス、庭園、地下室、トンネル、廊下、天空、水底――あらゆる場所につながり、あらゆる場所から繋がり、あらゆる場所とつながった『それ』は、時には整然と本棚の並んだ図書館であり、時には読みかけの本ひとつを残して忘れられた小部屋であり、時にはページの切れ端を敷き詰めた花道であった。
 散らかった物語の破片を収めて、今日も《ライブラリ》は、誰かとつながる。
>> lib_fragments
はらはら紙片が舞い落ちる。花のように落ちて積もり、雪のように積もって消える。この断章たちもいつか読み解くことができるのだろうか。
伸ばした手には気休めほどの重さが掠めて、それもすぐに風へ帰っていった。
ちらちらと文字たちが宙を舞う。ここでは永遠に物語たちが踊るのだろう。
雨粒がぱたぱたと地を叩く。降り始めてしばらくすると、薄く水を張り始めたそこに、まだ見ぬ断片が映りだした。
水溜まりの先にたゆたうのは、鍾乳石の柱と、彫られ刻まれた文字たちの森。……この書架の国を彷徨っていれば、いずれ辿り着くこともあるのだろうか。
>> leaves
ゆらゆらとゆるやかにゆがんでゆらいで ゆめをみる
ゆううつに
ゆきばもなく ゆくさきもなく ゆっくりとゆうりして ゆらゆら
ゆめみたいなゆるやかさ ゆくさきなんてゆめにもみないで

すこし ゆかい。
「しかしアレだな」
「んー?」
「この買収劇を知ったら、憤死するんじゃないかアイツは」
「……」
「……」
「万々歳だな、その展開は」
「教えてこようよそれちょっとさー」
>> dehyca_code
#術式言語 (仮)
発音が二通りある単語は基本的に「イ」の発音を《より強い》《明確な意志》の籠もる発音とする。
Lyは「りゅ」「り」、Deは「で」「でぃ」、esは「えす」「いす」のはず。
いずれにしても文字として綴られた際には区別されない。
Ly リ/リュ モノとしての『私』/意思としての『私』
De デ/ディ モノとしての『君』/意思としての『君』

es エス/イス 呼びかけ/命令

es De
[エス ディ]であれば「やぁ、君」程度、[イス デ]なら「おい、そこの」、[イス ディ]だと「ちょっとあんた」くらい、かなあ

es単体での使用は呼びかけ。したがって音は[エス]で、これは無視しても許されるレベルの「ねぇ」「ちょっといいかな」的な呼びかけとして使われる。

「es 固有名詞」は呼びかけの強さによって[エス]あるいは[イス]。
「呼び止める」意思が乗った場合は「止まれ」「こちらを見ろ」といった命令の意味合いが強まるので[イス]になる。

「es 動詞」であればほぼ命令なので発声は[イス]。
>> memolog
書庫はひとつの記述から生まれたという。真偽は定かではない。
長く、幾つもの物語が綴られ、その幾つかは断片として書架へ収められ、別の幾つかはまた異なる断片として書庫の世界に溶けていったそうだ。
そうして、書庫は幻の王国となり、未知に饑(かつ)える旅人を捕らえる魔都となった。
+理不知の呼び方
えーっと、とりあえずスタンダードが「得鳥羽月」で本名がわり。
んで赤土系が通称にしてるのは「移ろい菊」か「菊のxx」で、これはご幼少のえっちゃんを「雛菊(幼き隠君子)」と呼んだところから派生。「雛菊がもう雛じゃねぇ」ってーんで「よく出歩くし、移ろい菊」に。
神格系だと「月魄」とか「月華の鬼」とか、月が基調の呼び方。
個人的に呼んでた名としては、露隠葉月の「病みたる皇鬼」と「可惜夜」に、果の月が「黄櫨染(皇の禁色)」で、一部の神格とか赤土の民とかが「理外」「理外の君」かなぁ。
塵祈・霞彩のいかんとも仲間は「理外の君」を使う場合が多く、素性バレ警戒時は「風招き(かざおき:風を起こす事)様」とかって呼んでます。
あとは格下連中が多く使う「忌鬼の君」と、それを更に限定化した「忌鬼の大君」とか。
「理不知」も呼び名の一つではあるけど、えっちゃんが自らの名乗りに使うほぼ唯一の名であるため、一種の諱扱いらしく、他人が口にすることは珍しいようです。
>> ss
その兄弟はともに、王の嫡子として生まれた。父は違えども、同じ母の血を継いだふたり。けれども兄と弟は、決して交わることのない道を歩いていく。
ひとりは、受け継いだ魂をただ無垢な切っ先へと磨き上げ、ひとりは、受け継いだ温もりをただ未来へと届けようとした。母はどちらも笑って見守り、見送った。

レンヨウ、緋雨の名で知られる天泣王国の懐刀と、トゥバン、天泣王国の威風をそのまま王としたような稀代の統治者。あるいはこれが、ツイリとテンロウへ続く確執の、始まりの関係であったのかもしれない。
少女は過疎の迫る地方に生まれた。緩やかに衰退してゆく、伝統と因習がまだ残る集落で、色のちぐはぐな双眸を抱えて生きていた。噂する人々の感情は、神秘への好奇よりは、奇異の目のほうが多かったように思うが、今はもうよく覚えてはいない。
記憶しているのは、彼岸まで続くように咲き誇った、あかい花の色と、彼岸から押し寄せてくるような、あかい空の色。
身を隠すように、近くなる夕闇を待ちながら、少女はそっと地に伏せ、目を伏せた。

訪れた薄い眠りからふと目覚め、花弁の中で瞬いた瞳に映ったのは、まるで花の化身のような美しいひと。
かみさまだ、と少女は夢心地にそう強く信じ──憐れむように差し出された手を、取った。

実際には、神という括りからは少しだけ外れていた、少女のかみさま、真鳥のひめさまは、それはそれとして、地の神に近い存在として畏敬されるものではあった。
娘として遇され、愛された少女は、その双眸さえも佳(よ)きものと笑まれ、慈しまれた。
そうしていつしか、彼女たちは同じものへと変じてゆく。……人にして、人ならざるものへ。人ならざるものにして、人へと。
いびつな、ものへと。

満開の花の中ですくわれた少女、曼珠沙華の姫。
千変万化、万化と呼ばれる奇跡屋──万華は、そうして一度、もろともに道を踏み外しかけた。
改めて親子の縁を結び直した今は、人として、人ならざる『母』と、笑い合っている。

……という感じでブツ切りの雑多なメモやネタをもりもり放り込んだライブラリです、もりもり増えます。