ふらふらと、見知らぬ小花の散る小道をゆく。おぼつかない足取りは眠気のせいだ。手に取ったのは表紙のかすれた古い書で、しかし中身は今まででいっとうまとまりのある断章だった。手から離れる前に読み切らねばと、夜を数えることも忘れて没頭したのだ。……睡魔に負けたあと、この記憶がかすれていなければいいのだが。
崩れかけた書架の扉を押し開くと、潮騒に統べられた白と紺碧が眼前にあらわれた。途端にノブの感触は消え、扉はもう無い。
白い真砂は記述を待って忘れ去られた紙のようで、波が束の間、その白紙にしみを付けては消えてゆく。
海底には揺れる文字たちが見え──その遠さに吐息が零れた。
崩れかけた書架の扉を押し開くと、潮騒に統べられた白と紺碧が眼前にあらわれた。途端にノブの感触は消え、扉はもう無い。
白い真砂は記述を待って忘れ去られた紙のようで、波が束の間、その白紙にしみを付けては消えてゆく。
海底には揺れる文字たちが見え──その遠さに吐息が零れた。