閉じた本を書架に戻す。落丁は多かったが、大筋は追いやすい一冊だった。久方ぶりの充足感。
息をひとつ、思わず酷使した目を閉じてしまえば、あとはいつもの気紛れだ。……ああ、これはまた、意地の悪い。
予感に従って開いた視界に差し込むのは、疲れの溜まった目に眩しい木漏れ日。その影に、ちらちらと文字が踊っては消えていた。
戻って入ってきた扉を開けると、廊下だった空間は夜のテラスへ置き換わっていた。
無人のテーブルにカンテラが一つ取り残されて、離れて置いてある書物をゆらゆら照らしている。その装丁はさっき届かず諦めた本によく似ていた。そっと触れる。
天鵞絨の表にタイトルはなかった。まあそれも、ここではよくあることだった。
息をひとつ、思わず酷使した目を閉じてしまえば、あとはいつもの気紛れだ。……ああ、これはまた、意地の悪い。
予感に従って開いた視界に差し込むのは、疲れの溜まった目に眩しい木漏れ日。その影に、ちらちらと文字が踊っては消えていた。
戻って入ってきた扉を開けると、廊下だった空間は夜のテラスへ置き換わっていた。
無人のテーブルにカンテラが一つ取り残されて、離れて置いてある書物をゆらゆら照らしている。その装丁はさっき届かず諦めた本によく似ていた。そっと触れる。
天鵞絨の表にタイトルはなかった。まあそれも、ここではよくあることだった。