うつらうつら、夢を見た。誰かの指先が踊っている。綴られゆく記述はよく見えない。
手が止まり、最後の点がひとつ置かれると、真新しい紙が舞い上がる。
ああこれは書架の始まり、迷宮の回想だ……あの手は指は、果たして何を語り紡いだのだろうか。とりとめない思いは紙吹雪に呑まれて溶けた。
葉擦れのさざめきで目を覚ます。
昨夜、見えども掴めぬ書庫の影に振り回され、すっかり困憊して倒れ込んだのは、そんな彷徨を見透かしたかの如きやわらかな寝台……だった、はずだが。
身じろいだ肌に触れたのは、爽やかな下草の揺れる気配と、夜の名残のような敷布のみだった。
手が止まり、最後の点がひとつ置かれると、真新しい紙が舞い上がる。
ああこれは書架の始まり、迷宮の回想だ……あの手は指は、果たして何を語り紡いだのだろうか。とりとめない思いは紙吹雪に呑まれて溶けた。
葉擦れのさざめきで目を覚ます。
昨夜、見えども掴めぬ書庫の影に振り回され、すっかり困憊して倒れ込んだのは、そんな彷徨を見透かしたかの如きやわらかな寝台……だった、はずだが。
身じろいだ肌に触れたのは、爽やかな下草の揺れる気配と、夜の名残のような敷布のみだった。