葉擦れのさざめきで目を覚ます。
昨夜、見えども掴めぬ書庫の影に振り回され、すっかり困憊して倒れ込んだのは、そんな彷徨を見透かしたかの如きやわらかな寝台……だった、はずだが。
身じろいだ肌に触れたのは、爽やかな下草の揺れる気配と、夜の名残のような敷布のみだった。
ふらふらと、芝生に線を引くように伸びる小径を歩く。
いつ、何の拍子に、何を見失うか、まったく予測不能なここで手にした書物は、夜を徹しようが、目が霞もうが、とにかく読み切らねばならなかった。眠い。睡魔を退けようと散策を続けると、横手に広がった木陰から覗く四阿の角が目についた。
昨夜、見えども掴めぬ書庫の影に振り回され、すっかり困憊して倒れ込んだのは、そんな彷徨を見透かしたかの如きやわらかな寝台……だった、はずだが。
身じろいだ肌に触れたのは、爽やかな下草の揺れる気配と、夜の名残のような敷布のみだった。
ふらふらと、芝生に線を引くように伸びる小径を歩く。
いつ、何の拍子に、何を見失うか、まったく予測不能なここで手にした書物は、夜を徹しようが、目が霞もうが、とにかく読み切らねばならなかった。眠い。睡魔を退けようと散策を続けると、横手に広がった木陰から覗く四阿の角が目についた。