アーツ(後天属性魔導)ってなんぞ†
現状で唯一の、後天的に獲得可能な、属性魔法の発動のみに限定された魔導。
MLRF(協会)の創立メンバーが属性魔導を理論化した事から、現在も属性魔導に関する資源の殆どはMLRFによって独占されており、属性魔導を学ぼうとする者はほぼ例外なくこの協会と関わりを持つ。
MLRFは属性魔導を「arts(アーツ)」と呼んでいる。
先天者がその「本来の魔導」で扱う属性魔導との区別をつけるため、というのが主な理由。
同様の理由で、MLRF所属の属性魔導師を「user(ユーザ)」と称する場合もある。
現在の分類†
禁呪 prohibited arts(プロウヒビティッド・アーツ)†
式が発見されたのち、その危険性などから使用禁止の指定を受けたアーツ。
効果が大きすぎる、制御が難しすぎる、欠陥が見つかった、などの理由で指定されることが多い。
廃呪 defective arts†
欠陥により使用不能と判断されたアーツ。
限定条件下でなら何とか使える、みたいな可愛いやつではなく、条件が揃っちゃったらキノコ雲、みたいなレベルの危険性。
他の禁呪とは違い、これだけは「何者であれ、何事であれ、行使は能わず」とされています。
無階級魔導 classless arts†
別名は可変魔導。通常、魔導の開始時に決められているはずの階級を、陣の導出中に変更することができる、特殊なアーツ。
使い手が極めて限られており、研究はあまり進んでいない。
特級魔導 highend class arts†
闇鍋。ぶっちゃけると、分類不能だった式をすべて吸収するための階級である。俗人的な式が多く、使い手が限られてしまってあんまり汎用性はないアーツが多い。だいたい規模や威力はとんでもないことになっている。
上級魔導 high class arts(ハイクラス・アーツ)†
1級 high first(high class first rank)†
エリートの中のエリート、実践・研究ともに優れたユーザのみ到達可能なトップのクラス。
地形が変わるのはデフォ、みたいなアーツが多いです。当然、平時にこれをぶっぱなすことは許されていないし、これを平時にぶっぱなすような輩は在籍を許されない。
扱いはぶっちゃけ戦争兵器、使うとなれば協会だけの問題ではなく、周辺各国への配慮も必要!
準1級 high second(high class second rank)†
レア。昇格試験のためのクラスと言っていい。1級ユーザの候補生が登録されています。
このクラスの式はそんなに多くない。うっかり地形を変える程度の範囲攻撃で、ほかの式と比べればまだ制御しやすく範囲も小さめ、災害が相手とかの非常時ならギリギリ、使ってもいい、かもしれない、みたいな……。
2級 high third(high class third rank)†
ここまできたらもう超一流と言ってもいい使い手。
多段ヒット、威力お高め、持続時間も長め、みたいな範囲攻撃をガンガンできる式がいっぱい登録されています。戦闘用の式の実用限界ギリギリでもあります。
準2級 high fourth(high class fourth rank)†
上級ユーザの……登竜門?というか、うーん、魔導馬鹿の入り口?というか……。
研究である程度の成果を上げて、式の開発とかできるようになったユーザが、もっと強力なアーツの研究や行使を希望した場合に登録されるクラス。
イメージでいうと、いわゆる範囲魔法、中心から3マスとか、十字型に展開するとか、そういう感じのやつ?で威力もお高め、って式がいろいろ登録されています。
審査は結構きびしめで、倫理チェックとか入るようになります。ここに到達すると、カスタムされた特注の『杖』を付与される。ステータス、ステータス!
中級魔導 medium class arts(ミディアムクラス・アーツ)†
3級 medium first†
中級ユーザの最高位、一般的なユーザの中のトップ、という位置づけになるクラス。
アーツの研究にも主体的に関われて、簡単な式ならいくつか改良の実績があったり、という感じの……研究者としてキャリアが始まるあたりの段階です。
大きめ……複数人を巻き込めるくらい、の式とかがこのクラスのアーツです。単属性、多段ヒットダメージ、隣接ユニット巻き込み可能、とか……そういう、イメージの……(ろくろ)
準3級 medium second†
本格的なアーツを使いこなせるようになった人たちのクラス。
アーツを使うだけでなく、研究にもサポートとして参加したりして、協会の学術的な面へかかわり始める段階です。
このクラスまでくると、本格的なプロ、みたいに見られることが多い。
登録されているアーツも本格的な式が多く、戦闘用のアーツが増えてくる。ゲーム的なイメージでいうと、単体攻撃、単属性、単ヒットダメージのみ、の攻撃魔法、みたいなやつが多いかな……。
4級 medium third†
本格的にアーツを習得しようとした場合の入門クラス。
協会管理下の資料を閲覧できたり、ちょっと専門的な講義を受けることができたり。
このランクの魔導で扱えるのがやっと魔法っぽい魔法。陣がぱーっと出て魔法がばーんと発動して、ぴゃーっと相手に向かっていく……みたいなやつです。
ここから発動の細かい制御を覚えるようになる。補助具を使わずに発動起点を指定したり、状況に応じた魔法の使い分けを覚えたり。
そのへんで職業ユーザとして生活しているのは、この階級の術者が多いです。
発動の補助をするユーザ専用道具『杖』を持てるのがこの階級から。
準4級 medium fourth†
自己判断でアーツを行使できる、一般的な「ユーザ」のイメージにもっとも近い階級。
技術レベルとしては下位の5級と大差ないことも多い。
このランクで扱える魔法は、単一効果で規模・持続時間などが小さいもの。主として補助具(呪符的なアイテム)を併用する。
日常生活で使うような、ちょっと火をつけたり水を出したりができるくらい。
下級魔導 low class arts(ロウクラス・アーツ)†
5級 low†
協会に所属する魔導士の最低ランク。基本的には入会したばかりの術者が割り当てられる階級で、魔導士見習いというイメージがぴったり。
ロウクラスの魔法てのは実はあんまりなくて、一瞬だけ火花が出るとか……フラッシュが焚けるとか……ほとんど使い道のない、実用には向いてないアーツが多いです。
魔導の行使については、監督する上位ユーザが同行している場合だけ可能。違反すると割と即時に謹慎処分とか資格剥奪とか食らう。
特殊用語†
crown(クラウン)†
ユーザの最上位を指す特殊な呼び名。特級<クラウンクラス>とも言う。数日間にわたる多種多様な試験と徹底した審査をクリアし、<塔>に代替不能と認められた者のみが冠することのできる、畏怖と尊敬の象徴にして全ユーザの憧れ的なあれ。
つまり禁呪を扱えるラインの使い手、ということです。
その他のメモとか†
アーツの詳細†
沙迅の創始した属性魔導。
素養を持って生まれた者にしか使えない技術であった属性魔導を、
その素養のない者にも行使できるようにしたもの。
各種の魔導の中で唯一、万人が利用できる魔導となっている。
本来の属性魔導が様々な魔法陣を導出するのに対し、
アーツは「式」と呼ばれる、決まった型の魔法陣を導出する。
本来の属性魔導が術者に依存する陣を描くのとは対照的に、
完全に「式」に依存している技術の為、
artsはどんな術者が行使しても同じ陣が描かれる。
自らが描く「世界」を具象して現実を塗り替えるのが魔導。
故に当然、完全に同じ「世界」を描く事ができない限りは、
大なり小なり常に異なった世界が具象される筈で、
それが魔法陣の非再現性に繋がっている。
この「世界」を誰にでも思い描けるレベルまで
簡略・具体化したものが「式」で、
把握した「式」を具象する為の技術がartsの魔導。
だから本当に単純なものしか具象できない。
artsの普及により、魔導の素養を持つ者は「先天者」と呼ばれ、
artsによる属性魔導を行使する「後天者」とは区別されるようになった。
先天者はartsでいうところの中級魔導師に該当する者が多く、
後天者との実力差はない場合がほとんどのため、
先天者もしくは後天者であるから、という理由での
優劣は存在しないというのが一般的な認識。
だだし、行使できる属性魔法のバリエーションは
先天者のほうが多彩、魔導の安定性は後天者が優れる場合が多い。
また、ごく稀にではあるが、
最高位の後天者を完全に凌駕する先天者も存在する為、
個の能力は先天者が上であるとも言える。
先天者と後天者との決定的な違いは
「魔力の制御能力」が備わっているか否かで、
これは完全に先天性の能力。
後天者は魔力を制御する事が出来ないので、
魔導による魔力の消費は「式」によって一方的に決定される。
魔法陣の導出速度はある程度の向上が可能だが、
これも技能レベルと式の等級から算出ができる固定的なものにしかならない。
発動形式のメモ†
こっち>>アーツ補足_発動形式