gottaNi ver 1.1


「どうも、貴方たちと同じような事を訊かれた人がね、他にもいるみたいなの」
「っ、それ、天使様の事ですか?」

04.

 人目をはばかるように周囲を見回し、サキと呼ばれた女性は囁きと大差ない声量で懸念を伝える。
「どうも、貴方たちと同じような事を訊かれた人がね、他にもいるみたいなの」
「っ、それ、天使様の事ですか?」
 ユミが問いながらあちこちに目線を飛ばすが、高架が傘になっているとはいえ、雨天の屋外には人影がほとんどいなかった。

 足早に改札のほうへ向かっていく通行人をちらりと見ながら、女性が応じる。
「そうだと思うわ。詳しい話はわからないのだけど……けっこう危ないことになった人もいるみたい。何かあってからじゃ遅いし、心配だもの、今はわたしたちと一緒にいてくれないかしら」
 最後の要望は、もう一方の少女へ向けたものだろう。帰りたくて仕方なさそうなチナミへ目をやって、気遣う表情で笑いかけながら言葉を続けた。
「逆側の駅前にね、集会所があるのよ。カフェのようになっていて、落ち着いて話ができると思うわ。ユミちゃんからもらったメールについて、詳しく聞きたいし……もしよければ、どう?」
「や、それはちょっと……」

 これから更に天使様について熱弁を振るわれるのはしょんぼりするし、何より、応答のなかった電話が気になる。
 もし天使がどうのといった話を聞きまわっている誰かがいるなら、どちらかというと会話までしてしまったというヨリのほうが危ない気がした。

 できるだけ速やかにこの場を脱出し、待ち合わせすっぽかし及び謎の羽人間について連絡を取りたい、と焦りを募らせるチナミの前に立ちふさがるのは、またしてもドリームモードに入っているらしい少女。
 ほんのり逃走態勢な友達の手をしっかりと握り、断られる想定などしていない勢いで語りかける。
「行こうよ、ねっ。大丈夫、あそこなら何かあっても安心だし」
「うえ」
 しかも今回は援護射撃までついてきた。
「いきなり色々なことがあって、きっと混乱してるわよね……でも、信じてちょうだい、わたしたちは味方よ。貴方たちを危険な目にあわせたくないの」
「ね、一緒に行こうよ。……さっきの人、また来るかもしれないし……」
「本当に駅のすぐ近くだから、もし……わたしたちの話が信用できないと思ったら、その時は簡単に帰れるわ」
「……だめ?」
「う」
 パステルお姉さんとドリーム少女のダブルパンチ、しかも少女の方は心細さを含んだ訴えかける目、それが交互に同行を要請してくる。
「……っ……!」

「ようこそ、リトルサンクチュアリへ」
 ぱっと見た感じは学習塾。
 自販機と椅子が配置されたロビー、奥に続く廊下の前には受付のカウンターがある。
「こんにちは」
「こんにちは。どうぞ良いひとときを」
「良いひとときを」
 先頭に立ったサキが慣れた雰囲気で受付の係員に会釈して、一同はカウンターを通過した。
 三人が横並びでも問題なく歩ける広さの廊下は、左手にいくつかのドアが等間隔に続き、右手の方はガラス張りの壁で廊下と区切られた大部屋になっている。テーブルセットが数組と、壁際には一人掛けもしくは三人掛けのソファ、更には本棚とドリンクサーバーが置かれているようだった。
「…………」

 先導されるまま大部屋のほうへと入りつつ、押し切られて集会所まで来てしまったダメっぷり、及び後々に落ちるであろう盛大な雷を思って、あからさまな死に掛けオーラを垂れ流すチナミに、何だかテンション上がってきちゃってるらしい友人が声をかける。
「ね、けっこう広いし、キレイでしょ? 飲み物も色々あるんだよ」
「外は寒かったし、少し濡れてしまったから、温かいものを飲みましょうか。取ってくるから、好きなところに座っていてちょうだい」
「ありがとうございますっ。私、カフェオレでー。何にする?」
 上機嫌でオーダーを出すユミが投げた問い掛けに、しばし考えていつもの注文。
「あー……、甘いの」
「甘……っ?」
 シンプルかつアバウトな回答に、質問を投げた少女は一瞬フリーズした。
「うん、甘いの。食べ物でなく飲み物で、更にホットだといい感じ」
 至極まじめに加える説明も、品目を絞る役には立ちそうもない。

「……えっと、とりあえず甘いのなら何でもいい?」
「紅茶かコーヒーかしら。ミルクとお砂糖を多めにすれば大丈夫? あと、すこし時間がかかってもいいなら、ホットミルクなら出来ると思うけど……」
「あ、確かココアもあるよ」
「ココアで。」
 迷わず指定。
 言下に答えた勢いのよさに小さな笑いを零し、サキが注文の品を用意しに行く。
「分かったわ。少し待っていてちょうだいね」
「はーい」
 にこにことそれを見送ったユミは、席を確保するべく部屋の中を見渡すと、空いていたテーブルを指し示した。
「あそこ、空いてるから座っちゃおっか」
「ほい」

 応じて席へ向かいながら、チナミも改めて室内をざっと眺める。席はだいたいが埋まっているから、利用者は二十人弱だろうか。複数人のグループもいるが話し声は密やかなもので、カフェというより図書館のような雰囲気だった。
「……てか、コレって何の集まりなの?」
 席に着くと同時に尋ねてみる。
「集まりっていうか……色々なんだよねー。フツーに友達とお茶してる人もいるし、何だか難しい討論してたり一人で本読んでたりする人もいるし。あと相談にのってもらったりとか」
「ほー?」
「私はねー、だいたいお茶して宿題やったりしてるの。友達が来てた時はおしゃべりばっかしてるけど。サキさんはいろんな人とお話をしてることが多いかなあ」
「つまり、結局は何してるトコなの?」
「えー、だから色々だよー。最初にカフェみたいって言ったでしょ? そんな感じなの」
「…………」
 ダメだ、全く疑問が解決しない。
 どう話題を転がせばいいものやら思案し始めた彼女へ、頭上から回答が落っこちてきた。
「はっきり何かしてる訳じゃないのよ」

 後方斜め上へと視線をやれば、お盆にコップを三つ載せたサキが苦笑している。
 よく聞く質問なのか、運んできた飲み物を卓上へ置きながら、慣れた様子でゆっくりと説明をし始めた。
「一応、宗教法人として活動してるけど、実際はお友達同士の交流会みたいな感じかしら。あまり宗教らしい話はでてこないの。そういう話がしたい人に向けてだけ、詳しい人と一緒にお茶なんかを飲みながら、講義みたいな話をする事はあるけれどね」
「あ、宗教なんだ……」

 なんだか凄く都市伝説な予感。

「そんなに構えないで、ボランティア活動のサークルだと思ってちょうだい。うちは福祉活動が主なの」
 宗教と聞いて警戒されるのは珍しくないのだろう。飲み物を置いて席に着きながら、お姉さんは年長者の落ち着きと余裕を笑みに乗せ、説明を足す。
「最近の若い子って、自分だけでは何もできない、人助けなんてしても世の中は変わらない、そんな風に思っている人が多いでしょう。でも、手を取り合えば色々な事ができるし、個人でも、友達の相談にのったり道に迷っている人を案内したり、そういう小さな手助けならできるから、初めから諦めたりしないでって、そう呼びかけて一緒に頑張るのが、私たちのしている事。
 そうして少しずつ思いやりの輪が広がって、世界がより良くなったら、それはとても素晴らしい事だもの、ね」
「はあ……」
「サキさんはねー、ここの責任者みたいな人で、色々お話を聞いてくれるの。
 あ、話っていっても、悩み事の相談とか、ボランティア活動の事とか、そういう話ね」
「学校のお友達だと、逆に距離が近すぎて悩みを打ち明けにくい、っていう子も多いのよね。進路の事とか、もっと身近な……喧嘩をしてしまったけど仲直りしたい、みたいな話を聞いて、できればアドバイスしたり。
 中には、わたしたちの活動をお手伝いしたいって言ってくれる子もいるから、ボランティア活動の紹介をする事もあるわ」

 いまひとつ打ち解けない様子のチナミに、具体的な活動の説明。

「……もちろん、宗教的な事が全くないわけではないけれど、参加は任意。
 ちょっとしたパーティーを開いてお祈りをしたり、興味を持ってくれた人に神様のお話をしたり、そういう活動もしているけど、嫌なら参加しなくてもいいのよ。
 わたしたちの活動は、皆が助け合える社会を目指して、困っている人を助ける事をメインにしているから」
 ね、と念押しするように微笑みかけて、サキは横の少女へ目を転じた。
「ユミちゃんは、一年くらいかしら、ずっとここのカフェルームに通うくらいで特に活動はしなかったし、今も祈祷会みたいなものには参加してないのよ。チャリティイベントのスタッフをしてくれたりしているの」
「お祈りとか、興味はあるんですけどー……やっぱり、ちょっと行きにくくて。
 でも、そういうの行かなくても、無理に誘ってくる人もいないし、フツーにおしゃべりできるし、ここってステキですよねっ」
「ふふ、ありがとう。でも、ユミちゃんはボランティアのほうを凄く頑張ってくれているでしょう?
 わたしたちの活動の基本理念は助け合いだから、ユミちゃんの活動はとても立派よ。別に、祈祷会へ出ていない事を気にする必要はないから、そう申し訳なさそうにしないでね」
「はいっ、ありがとうございます」
 仲良く会話して笑い合う二人を見る限り、確かにあまり宗教っぽい空気はない。歳の離れた姉妹……もしくは付き合いの深い親戚、といった雰囲気がする。
 ちびちびとココアを飲みつつそんな事を考えて、付き合いが深い、というキーワードで彼女は自爆した。
「ぅあー……っ」
「え、なにっ?」

 唐突に声を上げた友人に、一瞬びくっとしてからユミが奇行の理由を尋ねる。
「どしたの、チナミ」
「わ、忘れてたっ……!」
 あたふたと鞄から携帯電話を取り出し、まず着信履歴を確認。新規の着信はなかった。
 セーフ。
 思わず安堵の息を吐いてから、チナミは気付いて自問する。
 いや、これだけ時間が経っても連絡がないのは、むしろアウトじゃなかろうか。
「…………」
「あ、ひょっとして、待ち合わせしてたって相手?」
 履歴と向かい合ったままの沈黙をどう解釈したか、事の元凶と言えなくもない少女が慌てた。
「そっか、結局いろいろあって連絡してないんだよね。まずいかな、どうしよう」
(うん、どうしようか。本当にどうしよう)
 心の中で級友の言葉に相槌を打って、彼女は相変わらず履歴を見つめる。
 向こうにも何かが起きて、再度の連絡ができないのだろうか、それは非常にまずい。
 それとも、お怒りがメーターを振り切り、気が済んだら連絡しなさいの放置モード発動だろうか、それは超絶にやばい。
(……うん、えっと、どうしよう)
 とりあえず手許のココアをわきへどけ、両手で携帯電話を捧げるような体勢で、チナミは机へ突っ伏した。
「どーしよーかー……」
 救いを求め、誰にとも無く話しかけてみる。

「……何か、悩み事なの?」
「はあ、悩みってゆーか、時限爆弾の処理に失敗した解体班的な危機ってゆーか、です」
「?」
「えぇと……その、チナミは待ち合わせがあったみたいなんですけど、何か変な人に絡まれちゃって、それで逃げてきたから、待ち合わせをすっぽかす感じになっちゃったみたいで」
 ユミが気まずそうに説明をするが、どれかというと、目の前の少女に絡まれたのが事の原因である。
「あら。それで、連絡をしそびれてしまったのね?」
「そうみたいです」
「……爆弾がどうとかって、聞こえたけれど」
「それはちょっとよく分かんないです」
 爆弾と待ち合わせ?と首をかしげる二人を尻目に、任務失敗した解体班は必死に次善策を探っていた。

 ――爆発する、これはもう確定だ。勘と経験がそう言っている。
 爆発する前提で、さてどうしたものか。
 まず、逃げる。爆風が届かない位置まで、とにかく爆心地から離れてやり過ごせば……だめだ、離れるも何も、自分と会った瞬間が爆発するタイミングになるのだから、逃げようがない。
 逃げられないとなれば、あとは防御を固めるか……だめだ、具体的に何をすれば丈夫になれるのかさっぱり思いつかない。

 となれば。
「うん、威力を下げよう。ていうかそれしかないよね。じゃないと死んじゃうよね」
「死ぬのっ? チナミが? 何でっ?」
 いきなりの衝撃発言に隣で友人が混乱しているが、本人は真面目に考えている。
「ジャンピング土下座とかって練習したらできるようになるのかな」
「え、なに、どういう事?」
「普通の土下座じゃ足りないよね、絶対。なんか付け足さないとだめだよね」
「…………」
「…………」
 少女とお姉さんが生ぬるい目をしているが、気にしない。
(ええと、いいや、いきなり飛び上がるのはチナミ的運動神経が許さないから、普通に土下座しよう)
 ただし、今すぐにだ。
 決めてしまえば、あとは実行するだけである。
「ユミ、ちょっと手伝ってー」
「待ってチナミ、なに、なにするの?」
 椅子から立ち上がりつつ横に声をかけると、心なしか怯えた感じの返事がきた。
「ちょっと端っこのほうで土下座して、それ写メるの」
 まずは通常の土下座をメールでお送りします。

 意図を説明すると、うわあコイツ本気?みたいな顔をされたけど、気にしない!

「ええと。チナミ、ちゃん?」
「はい?」
「その、ごめんなさいね、ちょっとだけ確認させて欲しいんだけど……」
「はい」
 もの凄く心配そうに、サキが尋ねてきた。
「その……待ち合わせの相手っていう人は、お詫びに土下座を要求するような人なの?」
「いえ」
 秒も待たずに即答して、チナミは断言する。
「むしろ土下座とかしたらすごい嫌そうな顔をすると思うけど、気にしない!」
「……嫌がられるのに、ええと、土下座、をするの?」
「誠意の問題です。反省のアピールが必要というチナミ的ジャッジなので、向こうの好みは関係ないのです」

「そう、なの……」
「そうなのです」
 力いっぱい頷くと、よく分からないながらも、ある種のおふざけだと解釈されたらしい。
「変なことを訊いて、ごめんなさい。仲良し同士の遊びみたいな事なのね。……その、嫌々付き合ってるようなら、と心配になってしまったの。最近は、とにかく嫌われるのが怖くて、無茶振りっていうのかしら、やりたくないことを嫌々させられて……みたいな子もいるから」
「あー、ないです」
 ないない。
 手を振って否定のサインを出しながら言い切り、笑う。
「どっちもそーゆータイプじゃないんでー」
 という訳で。
「じゃ、ちょっと土下座してくるね」
「…………」
「…………」
 サキは微笑んで見送り、ユミは手伝ってくれたけれど、視線はどちらも生ぬるかった。

 これぞ土下座、というベストショットを、正面ちょっと上から一枚、横からもう一枚をがっつり撮って、メールで送る。
「よし。じゃ、帰ろう」
「え、待って、待って待って」
 達成感に満ちた気配で頷くチナミの服を、ユミが慌てて軽く引っ張り、席へと連れ戻した。
 何かの端末に目を落としていたサキが、二人に気づいて顔を上げる。
「おかえりなさい。用事は終わった?」
「はあ、いちおうは」
「あんまり怒られないと、いいわね。……もし必要なら、わたしからも一言、事情を説明するから、遠慮せずに言ってちょうだい」
「あ、私も! ちゃんと、しょうがなかったんだよって言うから、ダメだったら教えてね!」
「……あー、うん」
 微笑むお姉さんと意気込むお友達にぬるい笑みを向けて、心の中でダメ出しをひとつ。
(いや、うん、むしろ変な団体に関わるな!って逆にすんごい怒られそうだけど)
 女子だろうが年上だろうが、誰が何と言おうと、怒る時はガチでブチ切れるのがヨリだ。
 うわーやだなぁ、と遠い目をするチナミに気づいて、ユミが話題を変える。
「そういえば、サキさん、さっき何してたんですか?」
「ああ、談話室の予約を確認していたの。……話の続きは、そちらでしましょうね」

 飲みかけだったドリンクは各自が持って、サキの後ろについていく。
 案内されたのは、カフェスペースより奥まった場所にある一室だった。出入り口に近い部屋が、ガラスを多用して見通しの良いデザインだったのとは対照的に、こちらは廊下側の壁はほぼ塞がれていて、目の届かない上の部分だけ、光を通すようにつくられている。
 ドアの横に据え付けられた四角い機械に端末が近づけられると、ちいさな電子音がして、かちりと部屋の鍵が開いた。
「どうぞ、入って。好きなところに座ってちょうだいね」
「はい」
「お……お邪魔します?」
 何やら物々しい装備に、早くもチナミは及び腰。
 これまた対照的に、隣の少女は笑顔で室内を見まわしている。少し低い位置で結ったこげ茶の髪が、きょろきょろした動きにつられて揺れた。
(ああ、すんごく、リスっぽい)
 うまい具合に先端が丸くなるクセっ毛なので、もう、ものすごくリス。

「私、こっちのスペース使うの、初めてですっ。うわあ、会社のオフィスみたいですね」
「あら、ユミちゃんたら。企画の打ち合わせとかに使う部屋だけど……こういうの、格好いいと感じるのかしら?」
「デキる大人!みたいな? ちょっとドキドキしちゃいます。ねっ、チナミもそう思わない?」
「あー、うん? そうだね、こういう仕事場っぽいところって、珍しいは珍しい、かな?」
 ――お嬢さん、お嬢さん、できる大人は友人を妙な宗教施設に拉致したりはしません。
 心の中でだけツッコミをいれて、とりあえず持ったドリンクを机に置く。
(ああ、どうしよう。早く帰りたい)
 ヨリが怒る、ヨリに怒られる、どうしよう怖い、どうしようまずい、と過去のあれこれ大爆発に思いを馳せていると、ひとしきりテンションを上げて気が済んだらしいユミが着席を促した。
「とりあえず座っちゃおう、チナミ」
「あ、そだね」

 席に着き、ふー、と大きく息を吐いて、チナミはない根性を絞り出す。
「どしたの? ため息なんかついちゃって」
「あのね、ユミ。……と、ユミのお友達?のお姉さんも」
「サキさんだよー」
「ああ、うん。えーとじゃあユミとサキさん」
「何かしら?」
 二人が聞く体勢になっている事を確認すると、彼女は一気に主張を言い切った。
「ずるずるーっとついてきちゃった訳ですが、いまチナミさんは大変ピンチです。なので、誰が何と言おうとこの話が終わったら帰ります。通報も辞さぬ構えです。あと泣きます。もう盛大にわんわん泣きます。ギャン泣きってやつです」
「……え、あ、えー……?」
「……ええと……その、そうね……?」
 対処に困った顔で二人が顔を見合わせる。それを見つつ、チナミは言い切った!と、ちょっと『してやった』感じでココアをこくこく飲んだのであった。


UP:2018-11-30
よければ感想ください!|д゚)ノシ