ただ『ある』だけのものでいれば、生きていられる。
***
――私の甘さが、〈私たち〉を殺した。
後悔がとめどなく溢れ視界を覆う。流れた涙は誰にも拭われないまま、焼け焦げ、凍てつき、枯れ果てた廃園に、落ちては消える。
夢を、見る。
〈私たち〉が共にあった日々を。
〈庭〉に四季が満ち、春を謳歌していた昔日を。
終わりなど知らず、笑い合ったあの永遠を。
名前を、呼ぶ声がする。
指先を、撫でる手が見える。
……すべて、すべて、目覚めればただ私はひとり。
この永遠の中で、泣き暮れる。
いつか戻ると、託された命を抱えて。
必ずまた会えると、残された約束に縋って。
――本当に?
続く夢が。
終わらない孤独が。
尽きぬ悔恨とこの涙が。
すべて、すべて、もしもの絶望に侵されていく。
夢を、見たくない。
優しく懐かしい〈私たち〉の思い出を、どうかもう呪わずに済むように。
目覚めた瞬間の絶望に、私が呑まれてしまう前に。
どうか、どうか、すべてを。
――全てを、いつかの再会まで封じよう。
夢は見ない。後悔もしない。期待は持たない。絶望もしない。
呼吸だけを、ただ、未来に繋ぐ。
どうか、どうか。
……私が私を、壊してしまわぬように。