gottaNi ver 1.1


ただ『ある』だけのものでいれば、生きていられる。

***

 ――私の甘さが、〈私たち〉を殺した。

 後悔がとめどなく溢れ視界を覆う。流れた涙は誰にも拭われないまま、焼け焦げ、凍てつき、枯れ果てた廃園に、落ちては消える。

 夢を、見る。
 〈私たち〉が共にあった日々を。
 〈庭〉に四季が満ち、春を謳歌していた昔日を。
 終わりなど知らず、笑い合ったあの永遠を。

 名前を、呼ぶ声がする。
 指先を、撫でる手が見える。

 ……すべて、すべて、目覚めればただ私はひとり。
 この永遠の中で、泣き暮れる。

 いつか戻ると、託された命を抱えて。
 必ずまた会えると、残された約束に縋って。

 ――本当に?

 続く夢が。
 終わらない孤独が。
 尽きぬ悔恨とこの涙が。

 すべて、すべて、もしもの絶望に侵されていく。

 夢を、見たくない。
 優しく懐かしい〈私たち〉の思い出を、どうかもう呪わずに済むように。
 目覚めた瞬間の絶望に、私が呑まれてしまう前に。

 どうか、どうか、すべてを。
 ――全てを、いつかの再会まで封じよう。

 夢は見ない。後悔もしない。期待は持たない。絶望もしない。
 呼吸だけを、ただ、未来に繋ぐ。

 どうか、どうか。
 ……私が私を、壊してしまわぬように。


UP:2026-07-04
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