情緒の発育が悪い!!!!
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名も付けずにいたその感情を、ひとは祈りと呼ぶのだという。
私はただ、続く澱みに、倦んでいた。折り重なる死を死とも数えず、贄を贄とすら呼ぶことも忘れた、この鈍重で馬鹿げた千夜の営みを、心底から唾棄し冷笑してきた。
宮として立ち、守りを維持し、その底ですべてを無価値な煩わしいものとして、目を向けることも無駄だと、捨て置いてきた。
誰の痛みも、誰の傷も、どうでもよかったのだ。
つ、と格子窓の隙間から指先が伸びて、額を撫ぜた。ただそれだけの温度が、焼けるように残って疼いた。
憐れみならば、払いのけた。
対価を求められたのならば、あるいは払った。
けれど熱はただ在るだけで、私は、それが示すところをついぞ理解はしなかった。
……ただ、ぬくもりが指してしまった傷の痛みだけが、ひとつ心に染みついた。
――疼く傷を、見てしまった。
苛立ちはやがて形を取る。
明けず変われぬ千夜ならば終わってしまえと、最奥からいつしか声が湧いた。
すべて捨て置いてきた筈の心がひとつ頷いた。
「つまるところ、」と『それ』は可笑しそうに薄く、言う。
「お前は、あれを救わなかった世界を殺したかったのだろう?」
それは、救われて欲しいという祈りの反転だ、と。
千夜を滅ぼし、迎えた一夜に、私は私の祈りを知った。
――ひとを思い憂う痛みが、この苛立ちの名前だと。