その〈庭〉は四季を内包し、閉ざされた円環の楽園だった。
世界の狭間にあり、中心に座する、永遠の王国。治めるのは三者の超越種、天の〈翼鳥〉、地の〈大樹〉、水の〈水脈〉……〈三極〉たち。
随所で自然の恵みが芽吹き、花開き、実り、枯れる。楽園には永遠の四季が充ちていた。
その幸いを、外に持ち出し、広めることができる、と誤った希望を抱く者が現れるまでは。
「……約束、する。また……戻ってくる、と」
だから、どうかその時まで、待っていてほしい。
託された力と言葉だけが、いまは廃園に残っている。