gottaNi ver 1.1



概要

魔力的なエネルギーの調律者、通称<三極>を軸に成立する世界。
基本的には<三極>が休眠したり死にかかったりしている時代の物語。

世界と<三極>の関係

火と風の<翼鳥>はその憤怒で夏の灼熱を残し、氷と土の<大樹>はその慟哭で冬の酷寒を残し、これで世界に夏と冬ができて四季が分かれた。
……ってのが、のちの世界に続く起源神話としての<三極>です。
また<三極>すべての激情は「魔王」「災い」の起源としても語られてゆくことになります。

そもそもの話はというと

熱と風の<翼鳥>イグ、水の<水脈>アル、氷と土の<大樹>コード。
人でも神でもなく、男でも女でもない、魔術的な力の調律者たる3つの存在を、あわせて<三極>と呼ぶ。お互いにお互いを永遠の同胞とし、あらゆる種類の愛情と信頼を向けあう3人です。

親子であり兄弟姉妹であり、同僚であり相棒であり恋人である、そんな<三極>は世界の魔術的エネルギーを制御しつつ、<庭>と呼ばれる空間でただ幸福に生きていた訳ですが、人間が<三極>のもたらす恵みを「自分たちが所有できるはず」と勘違いして、おかしくなる。
<庭>に乗り込んで在りもしない「恵み」を寄越せ、という連中と揉めて、<水脈>が致命傷を負って完全消滅の危機。
<翼鳥>と<大樹>はそれを回避するため、存在の核ともいうべき「生命」を手放して<水脈>に与え、休眠する道を選択しました。

これを良いように脚色したのが伝承に残る「夏と冬の始まり」「魔王の誕生」などの逸話。
火と風の<翼鳥>はその憤怒で夏の灼熱を残し、氷と土の<大樹>はその慟哭で冬の酷寒を残し、<三極>すべての激情は「魔王」「災い」として語られます。

世界と<三極>の行く末

預けた「生命」さえ無事なら、いつか肉体と意識が力を取り戻せば戻ってこられる。だからその時まで待っていろ、という2人の遺言に従って<水脈>は調律を続けますが、次第に「もし、永遠にその時が訪れなかったら?」という自問に呑み込まれて、狂い始める。
夢うつつの時間が増えた<水脈>の調律は狂いだし、抑えられていた酷暑と寒波は枷から解放されて拡大を始めます。猛暑による干ばつ、寒波による凍死者の増加、などなど。
しかし、復讐を恐れた人間の妨害で<翼鳥>と<大樹>の復活は進まず、事態打開の見込みはなし。

いずれ何とか<翼鳥>と<大樹>は戻ってくるものの、<水脈>は完全に狂っていて、2人の事を考えるのはつらいから何も考えない、2人が帰ってくる夢を見るのは耐えられないから眠らない、でもいつか会えるかもしれないから死ねない、何も認識したくない、な状態。
再会しても「ぜんぶ夢だ、嘘だ」「目覚めて絶望するくらいなら夢を見続ける」「絶望してしまったらもう生きていられない」と狂いっぱなし。
「また失う」事を怖がるあまり2人の復活を認めず、耳を塞ぎ目を閉ざし、ひたすら現実と2人の存在とを拒絶する。

しかも<水脈>は極度に消耗していて、託された2人の生命力があるから何とか存在してられるレベル。
あと「生命」は2人の存在にすがれる唯一の持ち物なので、奪うと精神的にも死ぬ。
つまり回収不能、<三極>の本格復帰は先延ばし、調律権限が引き継げない状況。

この状態の<水脈>をそれでも絶対に捨てられない<翼鳥>と<大樹>は、頑なに自分たちを否定して拒絶する相手のそばに居続けるしかない。
届かないと解っているのに、歌ったり、無理矢理に眠らせたり、花を飾ってみたり、昔話をしたり、少しだけ泣いたりな、そんな日々。

……という、永い永い悲劇の間にかろうじて存在を許されているのが「塔と庭」の世界です。
いつか<水脈>が回復して幸せな永遠が戻るのか。<三極>が絶望し爆発して調律が失われ、もろともに滅びるのか。
結末がどちらに転ぶのかは、誰も知らない。


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