gottaNi ver 1.1


概要

幽界における主要な種族のひとつ。種族内で独自の社会を築いている。荒神夜話の主な舞台。
黄土が祀る神を祭神、こちらの鬼を荒神、と呼ぶこともある。正邪や善悪といった対立存在ではなく、天神地祇、天に属するものと地に属するもの、つまり司る領域が違う対照存在という扱い。

基本的な種類

三月界の妖魔同様、幾つかの種族に分ける事が出来る。妖魔と異なるのは、種族間の能力差がはっきりしている点でしょうか。

種としてのくくりと、グループとしてのくくりがあり、稀鬼が王族で妖鬼が貴族、悪鬼が平民で餓鬼が貧民な感じ。
後は、種族とは違うものの、性質や出自による分類がある。

とりあえず強い順に行ってみます。

稀鬼

王族に相当する鬼。
抜きんでた能力とカリスマ性を持ち、配下として多数の鬼を従えている。また、ほとんどの鬼は神格化され、種族の外からも畏敬の対象と見られていることが多い。

貴鬼

鬼族最強の種。
今のところ、鬼族すべての主君である綜鬼皇を輩出している唯一の存在。
長く支配階級として種族の頂点に位置していたものの、勃発した鬼狩りの主要な標的とされ、組織的な襲撃を繰り返されたため、個体数が減少し支配力は弱まっている。

幼体の貴鬼は弱々しく保護欲を刺激する姿をしているが、成体になると近寄りがたい類の美しさを持つ。
幼いころはまだ能力を使いこなせず、気配に「近寄りがたい」ほどの圧力を乗せることができないため、周囲に「保護しなければ」「支えたい」と思われる場合が多い模様。
どこかで「覚醒した!」的スイッチが入ると成体になり、肉体成長の遅延が起きる。こうなると周囲は「あ、わかるなんかヤバいやつだこれ」と悟るようになります。

その力故に、出生率が低い。これは、発達途中の肉体が血の強さに耐える事が出来ない為。貴鬼同士の交配は、ほぼ確実に死産となる。
これを防ぐ為、貴鬼は他の鬼に自らの血を与えて子を産ませる。この方法であれば、貴鬼の血が薄まる為に出生率が格段に上がる。子が産まれた後は、成長に合わせて血を与え続け遺伝要素を強化。
子が親の血を受け容れるのは幼体の頃のみ。成体になった後では血は異物と認識されるので、摂取しても意味はない。

妖鬼

貴族に相当する階級。
上位の鬼を主君として忠誠を誓う傍ら、自身も家を構えて配下をもつことも珍しくはない。

障鬼

貴鬼に次ぐ力を持ち、その補佐という形で種族の支配階級に所属する者が多い。
鬼狩りにおいては、主君と定めた貴鬼と共に少なくない数が狩られたが、もとの数がそこそこあったこと、主君から後を託され「生き延びざるを得なかった」という者も多かったこと、が主な理由で、鬼狩りに対抗する主要勢力となっている。

障鬼もまた幼体と成体があり、幼体は中性。男女どちらかに分化した時点で成体とされる。外見的な変化としては、性別の分化に伴い体型が多少変わる程度。雰囲気は大して変わらない。

貴鬼同様の理由により、障鬼もまた出生率が低い。が、障鬼同士の交配では、死産は5割ほどでしかない。貴鬼のように他者に血を与えて子を産ませる事もあるが、例としては少数。
また、障鬼は貴鬼と交配が可能な唯一の種でもある。ただし、やはり出生率は低く死産がほとんど。その所為か、貴鬼は障鬼を側に置く事が多い。

貴鬼、兇鬼と同じように、単独行動を好み組織に縛られる事を嫌う傾向が強い。

兇鬼

貴鬼の大半が滅び、障鬼もその数を減らした今現在、実質的な鬼族の支配階級。
貴鬼、障鬼と同様、一様に性別の分かり難い中性的な美しさを持つ。

死産はそう多くないが、やはり出生率は低い。幼体、成体の区別は存在せず、連続的に成長する。子に血を与える事はあるが、他者に血を与えて子を産ませる事はない。

血縁単位で群を構成する者が多いが、やはり束縛を嫌う傾向が強い。上級鬼族の常として、普段は静穏だが敵と認めた相手には冷酷。
中級以下の鬼族と婚姻を結ぶ事は稀であり、それは兇鬼の内において暗黙の掟となっている。

悪鬼

平民にあたるランクの鬼。
祓うべき脅威、害悪、としての「鬼」に近い存在で、しばしば他の種族との間で抗争を起こす。基本的に上位の直接支配は受けていないので、妖鬼も制止はしないが庇護もしないスタイルで放置しています。

厄鬼

黄金の睛を持つ一族。
知略、謀略を好む傾向があるが、積極的な殺傷はあまり行なわない。

統制は甘いが群を作り、群れごとに領域を定めて暮らしている。3対の柳が作る道があったとしたら、そこから先は厄鬼の領域という事。入り込んだ場合、生きて帰る事はまず無理だと考えた方がいい。 そう多くはないが、刃鬼を仕えさせている者も存在する。

刃鬼

深紅の睛を持つ一族。
直接的な殺傷を好み、時には人里へと出て村などを襲う事も。

軍隊系の縦社会を形成し、鬼族としては大き目の群を作る。 多くの場合、厄鬼の領域近くに群の拠点を持つ。 刃鬼1体に対し、人間10人で互角というのが基本的な能力差。

餓鬼

階層的には貧民に近いが、扱いとしては犬猫レベル。
知能が低く社会性もほぼないため、鬼は鬼だが社会の構成員としてはカウントされないことがほとんど。まれに、比較的「使える」部類の鬼が、ちょっと利口な家畜、的な扱いで上位の鬼に使役されていることもある。

牙鬼

2角の鬼。
人や鹿など、他種族を捕食して暮らす。

言葉を話す事ができず知能も低いが、他者の言葉を理解する事は可能。 主な活動領域は山や森林の中だが、人里に現われて人や家畜を襲う事もしばしば。 牙鬼1体に対し、人間5人で互角というところ。

屍鬼

1角の鬼で、灯りを嫌う。 主に死体を食らうため、墓地に出る事が多い。

言葉を介さず本能で動き、群を作る事もあるが統制に欠ける。 共食いの類も珍しくはなく、同胞の死体である事を意識している様子はない。 屍鬼1体につき、常人3人程度で充分勝てる能力差。

やや特殊な種類の鬼

種族とは別枠の分類として使用されている、特殊な鬼の呼び名いろいろ。
血でひとつに限定される種族とは違い、要件を満たしていればカテゴリーが重複することもある。離鬼かつ創鬼で種族は貴鬼、とか。

創鬼

鬼を「創る」事の出来る能力者。一応、稀鬼と妖鬼にいるらしいんですが、兇鬼(妖鬼)で創鬼ってのは滅多に出てこなくて、貴鬼と障鬼が殆どだとかいう話。

鬼を創るというのは、多種族や同族に手を加えたり、死体をいじくったりして、そいつを鬼族に変えるって事。腕がよければ、細工前の自我や記憶を残したままにもできる。創鬼によって創られた鬼を「成鬼」といいます。 破格の能力者を示す話として、無から成鬼を作り出せる創鬼がいたという伝説もある。 能力の特異さ・稀少さゆえに、他者と距離を置く者が多い。

成鬼

創鬼によって生み落された鬼を指す。

儡鬼

人形と呼ばれる事もある、創鬼によって作り出された鬼。能力(種族)は創鬼の力量・思惑次第です。

主に死体から創られるが、中には違う創られ方をした者もいて、やはり素材による出来の差があるらしい。 多くの場合、創鬼によって与えられた「制約」を生まれ持っており、創主が力を失った(滅んだ)時、共に滅びるように定められた命が殆ど。また、制約に関わらず、創主が力を失うと滅んでしまう儡鬼もいる。

制約に組み込まれている事が多いのですが、そうでなくとも「刷り込み」というやつで、創主に対して絶対の忠誠を誓っている鬼が多い。

暗鬼

何らかの理由により、創主を失った後も生き長らえた儡鬼を指して言う。

一生に一体のみとか、限界に挑戦とか、そんな感じに全力で創った儡鬼は暗鬼になる事が多いらしい。要するに能力の高い儡鬼ほど暗鬼になりやすいという事だと思われます。「無から有を可とした」創鬼であれば、創った鬼の全てが暗鬼になり得る、とも言われる。

大体は、滅ぶまで主を持たずに生きるか、常に主を求めて生きるか、というどちらかのパターンに。あるいは、自らの意思で創主の後を追う、ってのも結構多いか。 あと、成鬼から創鬼が出る事はありえない。

去鬼

さまざまな理由で、鬼でありながら、その社会的な枠組みから外れた者。

離鬼

他種族と婚姻して鬼族を離れた者、群れから追放された者、放浪を好んで流転する者、他者を遠ざけ隠棲する者……など、他の鬼族と縁の薄い鬼。
鬼としての権利も義務も放棄しているため、離鬼だけは綜鬼皇に対する服従に縛られない。

群れや同族の助力を期待できないため、必然的に生存率が低くなっているので、相応の実力がなくては生き残れない。また、名を売るために離鬼を狩る者もおり、従って離鬼は少数で、大半が妖鬼以上の者である。 古くは、名が知られれば恐れられて余計な衝突が避けられたが、今は逆に有名なほど狙われやすい。

多くは他人に対する興味が薄く、敵対者には容赦のない性格の持ち主。

幽鬼

一度は死にながら、それでも現世に留まる鬼。

もともとが死んだ者なのだから、長期に渡って存在を維持していられる幽鬼はそう多いものでなく、悪鬼以下では幽鬼となっても数日で消滅してしまう。多くは幽体で、生前よりも能力が落ちる場合が多い。 自身の肉体に宿りなおしたり、他者の肉体を乗っ取ったりする者もいるが、これには相当の実力が要る。肉体を持つ幽鬼の殆どは、創鬼に協力してもらい、成鬼の器を得た者。

例外中の例外として、自らの肉体を成鬼として蘇らせ、宿りなおした創鬼もいた。創鬼としての能力が消えたのかどうかは分かっていない。

契鬼

他の鬼から血を与えられ、形質の媒体となった鬼。享けた血の能力をある程度は行使可能。

貴鬼が自らの血を残すため、配偶者に選んだ鬼を契鬼とする場合が多い。殆どは子の誕生で血が子へと移って影響が失われ、契鬼ではなくなる。 ごく稀に、子への継承が発生しなかったり不完全になった結果、契鬼のままとなる例もあるが、契鬼を血の運び手と見做す者からは不良品と忌まれて冷遇されやすい。

受け渡された形質を強化する事はできないため、大量の出血などで形質が弱まる事もある。 与えられる血が強いほど、それに耐えうる器が少なくなるので、力のある鬼であればあるほど契鬼となれる相手が限られてしまい、調達は困難。 血を与えた鬼との間に子を成すのが基本だが、他の鬼との交配が不可能な訳ではない。言ってみれば先着順なので、他所の契鬼を奪い取って子を成すような話も起こりうる。

与える側は妖鬼以上、享ける側は悪鬼以上が、契鬼の成立要件。貴鬼が障鬼を選ぶ場合が大半で、この組み合わせであればほぼ確実に貴鬼が生まれる。

綜鬼皇

鬼族全体の主として君臨する唯一無二の鬼。
明確な主従の取り決めがない鬼も綜鬼皇には服従する。

多くの場合は当代の皇が次代を指名、それが無かった場合は綜鬼皇に近い立場にいる鬼たちが合議して候補を選ぶ。

皇鬼

通常、鬼においては「皇」と言うと綜鬼皇を指す。が、例外的に、貴鬼のうち「綜鬼皇に匹敵する」と判断された鬼が皇鬼と呼ばれる場合あり。

選定には決まった手順などは存在せず、自然に広まって定着することで「承認された」と見なされる。
基本的には、綜鬼皇や他の皇鬼が言い出して、異議がなければ周囲の鬼も追随し、そのまま直接の配下ではない鬼たちにも広まっていって決まります。

当の皇鬼から言わせると、選定基準は「その魂が敗北を識らないこと」だそうで、まぁつまり、どこまでも自分の道を突き進み切り開く実力、しくじっても倒されてもへこんでも折れない精神、を持ったくっっっそ厄介な存在を指して呼ぶようです。

狂い咲き

貴鬼同士から生まれた鬼、いわば純血の貴鬼のこと。この組み合わせでの子は死産が多いため、極めて稀な存在で、能力保証付きの優良物件(もしくは敵に回したくない危険物)として畏怖される鬼。
ほとんどは肉体的にいくつかの変異を抱えていて、特に性別に関しては共通して「無い」とされる。したがって、次代を残すには契鬼による血の継承が必要になり、受け継がれる力には制限がかかる。

そのほかのいろいろ

各階層のまとめ役は王鬼と呼ばれ、妖鬼が妖王鬼、悪鬼が悪王鬼、餓鬼はなし。
また、各群の実力者を覇と称し、障鬼は障覇、兇鬼は兇覇、厄鬼は厄覇、刃鬼は刃覇と呼ばれる。

王鬼は一人だけで大抵は一階層上の王鬼から承認を得て決定、覇は明確な基準もなく人数制限もなしで何となく決定。

キャラクター

荒神夜話/キャラクターへどうぞ。


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Last-modified: 2016-03-01 (火) 10:09:00