概要†
〈魔法〉と〈魔術〉の総称、〈世界律〉に接触し現象を起こす技術。
一般的には「術者の意思で魔力に干渉し、方向性を与えて現象を生じさせる」力とされるが、その本質は「術者の意思を世界律に同調させ、理へ意識をあわせ干渉することで望む現象を具象する」というもの。
意思によって魔力を制御し、世界律の一部を構築することで成立している。世界律の一部を「切り出す」形での完全な複製が魔法であり、より望みに副うよう理を組み合わせて「再構築」を行うのが魔術。
したがって、世界律に存在しない、あるいは世界律によって禁じられている現象を起こす事はできない。
属性†
各属性が象徴するものとか、属性を表す言霊とかの事です。
システム的に決まってるものではなくて、学問的につくられた、現象仮定属学(法術属性学)における分類法。
法術の属性ってのは現象の仮規定にしかすぎないので、すべてを厳密に区分して属性の枠に収めるのは無理なんですが、一応の定義は決まっている。
ノリとしては「こんな感じの現象を起こす法術を○○属性と呼ぼう」程度のアレっす。
とはいえ、テキトーではあってもまったくデタラメってわけでもなく。
似た効果の呪法は模倣している「律」が同じだったり近かったりして、効率的な式や呪文の仕組みも似たようなものになるため、ある程度の整合性はあります。
現象の性質や律との関係性なんかが絡んで、占いの象徴要素としても広く浸透している。
また、使い手の性格によって呪法の「好み」も変わるので、ちょっとした性格診断に使われていたりも。
地†
現象仮定属学(法術属性学)における、分類のひとつ。一般的には「地属性」として知られる。
だいたい、地形変化を主効果とするものをここにブチ込みます。
象徴として定義される事象は以下の通り。
言霊 | 「支え在り続けるもの」 |
存在 | 「不変への憧憬」「仮初」「恩恵」 |
本質 | 「認識を超える事で成り立つ相対無限」……認識できる点には限界が存在せず、無限に思える、相対的・主観的な無限 |
姿勢 | 「永遠にも思える今に溺れないこと」 |
絵札 | 「一面に広がる荒野と両脇を彩る緑」か「中央に咲き誇る樹を置いた平地」が多い。 |
水†
現象仮定属学(法術属性学)における、分類のひとつ。一般的には「水属性」として知られる。
水……というか、液体全般の操作を主効果とするものをここにブチ込みます。
象徴として定義される事象は以下の通り。
言霊 | 「留まり流れるもの」 |
存在 | 「庇護という束縛」「与奪」「統御」 |
本質 | 「責任の移譲に伴う従属」 |
姿勢 | 「喪失を阻むために行動を禁じること」 |
絵札 | 「冠と波紋を描く水面」「上方から流れてきて、渦を巻き下方へ消える碧水」 |
氷†
現象仮定属学(法術属性学)における、分類のひとつ。一般的には「氷(冷気)属性」として知られる。
冷気・温度低下を主効果とするものをここにブチ込みます。
象徴として定義される事象は以下の通り。
言霊 | 「定めに従いて時を待つもの」 |
存在 | 「兆しなる停滞」「熟考」「静観」 |
本質 | 「訪れる変化や分岐に対する備え」 |
姿勢 | 「いずれ起きる事柄をただ待つこと」 |
絵札 | 「陽光を透かして淡く輝く氷」「新芽を覗かせる雪原」 |
火†
現象仮定属学(法術属性学)における、分類のひとつ。一般的には「火属性」として知られる。
燃焼、爆発、温度上昇、が主効果だとこのカテゴリにされる場合が多いです。
象徴として定義される事象は以下の通り。
言霊 | 「揺らぎ猛るもの」 |
存在 | 「守護のための破却」「壊乱」「征服」 |
本質 | 「犠牲を選ぶ強さと愚かさ」 |
姿勢 | 「眼前の障害へと向かい合い譲らないこと」 |
絵札 | 「一面を彩る赤い炎」「上へと伸びる円錐形の火柱」 |
風†
現象仮定属学(法術属性学)における、分類のひとつ。一般的には「風属性」として知られる。
一般的な「風」のイメージに加えて、大気の振動としての「音」が関わるものも、ここに分類しちゃう流派もあります。
象徴として定義される事象は以下の通り。
言霊 | 「永久に流転するもの」 |
存在 | 「本質の保持と変容」……「保持」を伴った「変容」を意味する 「矜持」「応変」 |
本質 | 「一貫した理を持つ転変」 |
姿勢 | 「一点だけに存在を費やすこと」 |
絵札 | 「空にかかる風を表す青白い筋」「宙を舞う羽根や葉」 |
雷†
現象仮定属学(法術属性学)における、分類のひとつ。一般的には「雷属性」として知られる。
雷撃特化。発電とかの需要も技術もないですし、これを主効果として使う場合ってのはあんまりない。あと規模と制御難度の反比例っぷりが酷い。
……ので、属性として知られてはいるけれど、使い手は少ないです。
象徴として定義される事象は以下の通り。
言霊 | 「瞬きに顕れるもの」 |
存在 | 「力の刹那と畏怖」「明示」「希求」 |
本質 | 「及び難い彼方への羨望」 |
姿勢 | 「ないものを希うと同時に憎むこと」……「嫉妬」とされる場合もあるが「持たざる己」への憎しみも含む |
絵札 | 「天地を繋ぐひとつの雷光」「雲間に走る無数の光」 |
闇†
現象仮定属学(法術属性学)における、分類のひとつ。一般的には「空間属性」として知られる。
闇鍋。ぶっちゃけ、定義しきれなかった「その他」の属性がすなわち闇です。
そもそも、属性学って<魔法>を分類対象としている場合が多くて、技術的に<魔術>の領域に入っちゃう空間関係とか精神干渉は苦手だから……。
象徴として定義される事象は以下の通り。
言霊 | 「在りながら映らぬもの」 |
存在 | 「安息と騒乱の要」……両者の間にあって、強い影響を与えるもの 「反転」「隔たり」 |
本質 | 「過不足の適当が不可欠な必需品」……常に最適な量であることが求められる、無くてはならないもの |
姿勢 | 「欲する心と失う恐れとを天秤にかけること」 |
絵札 | 「上部に僅かな明かりのある闇」「月のない夜空と明るい町」 |
属性関係の補足事項とかあれこれ†
……ってのが基本的な定義。後ろ二つは具象する際の形で、占いとかの法術儀式に使う絵札に描かれるものです。絵札にはもっと種類がありますが、最も重要で外す事が出来ないのは上記の7枚とされており、最低でもこいつらがあれば作業は出来るって話になってる。
因みにその他の札で重要なのは「世界律(世の理、抽象世界)」「現世界(世の形、具象世界)」の「世界の組」と「過ぎたるもの(過去)」「続くもの(現在)」「先にあるもの(未来)」の「時間の組」ですね。
また、「時間の組」に「永遠」「瞬間」を加えるパターンもあるか。
札の見方の例としては、「地」と「時間の組」で永遠、「風」と「時間の組」で瞬間、とか。
「地」と「過ぎたるもの」なら好ましい過去とか幸せな思い出、「水」と「先にあるもの」では安定への期待や占有欲……になるかね。細かいところはやはり、占う者と占われる者とによって変わります。